ススキとオギ

秋の訪れと共に風に揺れるススキの穂が目立つようになりました。昔から尾花の名で親しまれ 特に「お月見」にはかかせない植物ですが、このお月見には稲作以前の作物だったさといもなどの収穫祭の意味があったようで 現在でも「芋名月」の名が残り、実際にさといもを飾るなどの行事も各地に残っているようです。またお月見の終わったあとでススキの穂を作業小屋や門口に挿すなどの民俗も一部の地方で見られ、これは魔除けのためと言われております。台湾の先住民ヤミ族にも収穫したさといも(タロイモ)と一緒にススキの仲間の穂を飾る風習があり、我が国の民俗との深い関係を思わせます。

このススキに非常によく似た植物にオギ(荻)が有ります。この二種は生えているところも互いに似ておりうっかりすると見過ごしてしまうくらいですが、ススキが同じ場所から何本も茎を出しているのに比べ、オギは茎の一本、一本が独立して生えており、全体に大きく 穂は広がり気味でふっさりとしており、銀色の絹のような光沢が有ります。更に穂の部分をよく見るとススキには一本の芒(のぎ)が有りますがオギには有りません。一度観察してみて下さい。上越では主に平野部で見られ、川原などに群生する事が多く、かってはススキと同じく茅葺き屋根の材料として使われましたが、こちらの方が腐りにくいので喜ばれたようです。俗にカヤの屋根は40年、オギの屋根は100年もつと言われたそうです。これらの群生地は従来屋根材の他 牛馬の飼料やかりしきの材料を採るために「茅場」などの名で村落の共有地として保護されてきましたが最近はどこでもほとんど放置状態になっています。反対に農耕地などでは厄介な雑草となっていますが夏までに2回ほど刈り込みを行えば案外早く衰退してチガヤを中心とした草地になってしまいます。