身近でできる 自然の恵みコレクション

今回は50回目ということで、いつもとはテーマを変えて、自然物蒐集の面白さについて書いてみたいと思います。

近くに深い山と多くの湖沼、砂浜の続く海岸があり、四季の変化にも富んだこの上越は、自然を楽しむにはもってこいの場所です。雑木林を散策しながらそれぞれの季節の草花の美しさを楽しんだり、冬には水辺に出かけて北の国からやって来た水鳥をながめたり、海や川、池ではさまざまな釣りを楽しむこともできます。
自然好きな人にはそれだけでも充分と思われるかもしれませんが、私はそれにもうひとつ、蒐める楽しみの追加をおすすめします。別に難しいことではなく、出かけた先で気に入った自然物を持ち帰るだけでいいのです。

私はものごころついた頃から生き物が大好きで、今までずうっといろんな形で自然とつきあってきました。そのひとつが標本のコレクションです。部屋には、昆虫、ウニやカニなどの海の生き物、木の実や変わった種子などの植物系、化石、きれいな石、鳥の卵の殻などがいっぱいに並んでいます。但し鳥や動物の剥製などはありません。人によって感じ方は違うと思いますが、標本がコレクションとして抵抗なく楽しめるのは昆虫やカニ・ウニくらいまでで、それよりも大きな生き物は趣味の標本には向いてないように思えます。昆虫や木の実のような小さな自然物は、持ってきて部屋においても場所をとりませんし、またそれぞれに見つけたときの情景が記憶されていて、時がたっても、ながめるたびに思い出として甦ってきます。

生き物を標本にするには、ふつうは殺さなくてはなりません。でもコレクションはしたいけれど殺したくはないという方には他の方法もあります。例えば浜辺を歩くだけでも打ち上げられた貝殻・ウニ・カニがけっこう見つかり手軽に宝探しの気分が味わえますし、野山を歩きながら足元の地面を見てゆけば、死んだ甲虫や セミなども簡単に見つかります。気に入ったものがあれば拾ってきて、きちんと形を整えた標本にしなくても、自然に乾かして部屋に飾るだけでりっぱなオブジェになります。ひとつだけ、できればそれぞれの標本には採集した場所と日付のデータを添えておくことをおすすめします。標本はデータがあってこそ本当の標本と言え、またその情報が後々思いがけないかたちで役立つこともあるのです。

こんなふうに視線を変えて自然の景色を見直してみると、きっと今まで気づかなかった面白いものがいっぱいあることに驚かれることでしょう。        (ミ)