プラントインベーダーとも呼ばれ、異国からやってきて我が国土に根を下ろした帰化植物は、現在急速に増えて、私達の周囲に満ち溢れています。
その中でも毎年秋になると必ず話題になるのがブタクサとセイタカアワダチソウ、実物を知らなくとも名前だけは聞いたことがある という方も多いはず・・・。

ところで、最近この両者を同じもののように思っておられる方が結構多いことに気付きました。
イラストを見ていただければ判るように、キク科の草丈の高い草という以外にほとんど似たところはなく、共通点は2 つとも嫌われ者という事だけ!!。

ブタクサは明治の初めに北アメリカから渡来した一年草で、茎の先に緑色の目立たない花を沢山着けます。この種は花粉を風によって飛ばして受粉させるという作戦を取る「風媒花」。
文字通り受粉の成否は風次第、大量の花粉を作って飛散させ、同様の性質を持つヨモギやイネ科の植物と共に秋の花粉症の原因植物とされています。

花粉症は、なった人でないとわからない苦しいものです。
これについては、古くから欧米で「枯草熱」と訳されている言葉がありました。
「夏から秋にかけての風邪に似たような症状」
ということからヘイフィーバー(ヘイは干し草の意)と呼ばれていました。
それが花粉によるものということは、19 世紀の後半に英国で確立されたようです。
なお、あちらにスギの木はないので春の花粉症はありません。

一方のセイタカアワダチソウですが、こちらは昆虫などによって花粉を運んでもらうタイプで、昆虫の好む蜜を出し目につく色の花を着ける「虫媒花」、花粉症の原因となることはありません。
嫌われる原因として、根から他の植物の生育を阻害する物質を出して、所構わず大きな群れとなって成育し、国立公園などでその駆除が大きな問題となっています。
あまり密生すると発芽阻害物質のために自身が枯れてしまうという現象も起こり、結果、繁栄と衰退を繰り返す間抜け?な面もある不思議な植物です。

二種の混同についてはこの悪いイメージと共にネットでよく間違って投稿されていること、例えば和名と画像が違っていたり、最初から両者を混同して投稿されていることも多く見られます。
風に飛ばされてゆく大量の細かい種子を花粉と勘違いしていると思われるものもありました。
フェイクニュースは政治の世界だけではなさそうです。

個人的な感想ですが、私、この花は嫌いではありません。
最初は観賞用に移入されたと言われるだけに、雄大な草姿と大きく立派なレモンイエローの花穂は見応えがあり、帰化植物の研究家、浅井康宏氏が「花材としての利用」を提案されているのは卓見だと思います。

澄み切った青空のもと、妙高山をバックに関川河川敷に広がる大群落を見るのもまた良いものだと考えるのですが。

(ハ)