201412-07

オオムラサキは日本を代表するチョウ、国蝶とされていて、何度か切手の図案になったりもしています。
でも、国の花が桜、国の鳥がキジというのは御存知でも、国の蝶なんていたのかと思われる方がほとんどではないでしょうか。まあ、それが決められた経緯や選考基準とかはおいといて、ここではそれほどの蝶だと知っていただけたら充分でしょう。

愛好家に人気の高いタテハチョウのグループの中で特別に大きく、オスは紫と黒を基調に黄色、赤色の小班を配した美しいハネをもち、メスは、鮮やかさはありませんが♂よりさらに大きく、世界最大のタテハチョウのひとつに数えられています。
夏の雑木林に現れ、早春にのみ姿を現すギフチョウとともに里山を代表するチョウと言えます。
成虫は樹液を好み、長野や山梨県などの雑木林ではカブトムシやカナブンなどとともにクヌギの樹液に群がるすがたをよく見かけますが、上越ではクヌギなど充分な樹液を出す木が少ないため、そんな場面に出くわすことはめったにありません。

そこでおススメが丘の上での観察です。
オオムラサキのオスは、午後から夕方にかけて小高い所に上がって占有行動をとる習性があります。ですからこの辺の近くの山に行き、周りを見下ろせるような開けた場所で待っていると、高い木の枝にとまって時々すばやく飛ぶ様子を見ることができます。

飛翔はとても力強く、近くに来ると羽音が聞こえるほどです。 また、成虫でなくて良ければ、もう一つの楽しみ方としてこの時期ならではの越冬幼虫探しがあります。食樹であるエノキの根際に積もった落葉を一枚づつめくってゆくと、2 本の角をもった可愛い幼虫を見つけることができます。

私が生きたオオムラサキを初めて見たのは中学生の時で、場所は金谷山のレルヒ像のそばでした。ずっと頭上を飛ぶのを見上げていてようやく網の届く高さの枝にとまったところを首尾よくネット・インできたのですが、地面に伏せた網の中でばたばた暴れるのを押さえようとしているうちにするっと抜け出して飛んで行ってしまいました。
その時の悔しい気持ちは50 年近く経った今でも鮮明に思い出せるほどです。

話は変わりますが、国蝶があるなら、他にもどんなものがあるか気になりませんか。
私もそう思って調べてみましたが、錦鯉が国魚というのが見つかっただけで、ありそうだった国獣はなく、国亀も国蛙もありませんでした。
それから国花も、実は正式には決まっていなくて、桜と菊のどちらとも言えないのだそうです。おそらくこういうものを一つに決めようとしても異論が噴出してスッキリとはまとまらず、それなら無理やり決める必要もないか、ということになったのでしょう。
それに、国獣なんて字面も語呂も良くありませんしね。
でもあまりかたく考えずに、例えばインターネットでも参加できるいろんな日本代表の人気投票みたいなのがあったら楽しそうです。どなたかやってみませんか。
私は国亀がスッポンになってくれたら他に望むものはありません。

(ミ)