201408-5

大潟区にある朝日池は、ハクガンなど珍しい冬鳥の渡来地として知られ、冬には全国からたくさんの人たちが見学にやって来ます。また、この数年で北アメリカ原産のワニガメが何度も見つかったりして、何かと話題になることの多い池です。
先日、この池の近くを通りかかったとき、ふと気になって水辺に降りてみました。残念ながらワニガメはいませんでしたが、その代わりにとても奇妙なものを見つけました。直径が30センチほどの球状の物体で、最初は破れたビニールが沈んでいるのかと思いましたが、近づいてよく見たら違いました。表面は細かい菊花石のような模様にびっしりと覆われていて、拾い上げて割って見ると中は完全に透明です。見た目も触感も寒天状で、クラゲっぽい感じもしました。周りを見廻すとあちこちにあって、形も、丸いもの、細長いもの、曲がっているものとさまざまでした。

こんなものを見たのは初めてだったのでとてもびっくりしましたが、帰ってから調べてみていろんなことがわかりました。名前はオオマリコケムシと言い、40年ほど前に北アメリカから日本にやって来たらしい外来種であること、この不思議な姿は一つの生き物ではなく微小な個虫が集まって作られている群体であること、場所によっては増えすぎて水の出口をふさぐ厄介者になっていることなどです。日本の生き物らしくないと思っていたらやっぱり外来種でした。

そもそもコケムシというのが不思議な生き物で、海中の岩の上などにべたっと広がっている姿が名前の由来だそうですが、その他にも枝状に育ってゆくものやこの種のように球状になるものなどいろんなタイプがいます。いずれも目につく姿は個虫が集まった群体か、またはその創造物です。群体を作る点ではサンゴに似ていますが、系統的にはかなり違うもののようです。それにしても、海だとどんな生き物が現れても不思議ではない感じですが、淡水中にもこんなものがいるなんて、生物の世界は奥が深いです。

その後にわかったことですが、高田公園の外堀にもこれがいて、公園を管理されている方にお聞きしたら15年位前から見ているとのことでした。でも、その存在を知っている人はあまりいないようです。
水面を見ながら歩いていれば気がつかないはずはないと思うのですが、一見グロテスクにも見えるので、多くの人は目に入った瞬間に目をそらし、見なかったことにしてしまうのかもしれません。

そんなオオマリコケムシの魅力は、表面の神秘的な模様もさることながら、その下に隠された驚くばかりの透明さです。それもただの透明ではなく、覗くと向こう側に別の世界が見えるような不思議な感覚、魔法の水晶玉を覗いたようなそんな感じです。

わからない! と思われた方は、ぜひ実際に見に行って試してみてください。

(ミ)