生きている宝石  ヤマトタマムシ

昔から美しい昆虫の代名詞になっているタマムシですが、これは正確にはヤマトタマムシという種類のことをさします。日本のタマムシは意外に種類が多く、少なくとも220種類以上はいるとされますが、そのほとんどは1センチ以下のサイズしかなく、色もどちらかというと地味なものの方が多いです。そんな中にあって、ヤマトタマムシの美しさと大きさは際立って見えます。

 もともとこの種が属するルリタマムシのなかまは、熱帯アジアとアフリカの一部に多くの種類がいて、日本の本州のような温帯域にすんでいるのはヤマトタマムシ一種類だけです。そう思ってみると、日本の昆虫離れした派手な色彩も、夏の盛りに、それも一番暑い時間を選んで活動する習性もなるほどとうなずけます。

 虫好きの子どもたちは、カブトやクワガタは捕まえられてもヤマトタマムシはなかなか見つけられないようで、どこに行けば採れるかという質問をよくされます。これはタマムシの習性がカブトやクワガタとは違っているためで、ちゃんと探せばけっして見つけられないことはありません。見つける方法は、8月の良く晴れた日に近くの雑木林に出かけ、道路の脇などに伐採された広葉樹(ケヤキなど)が積まれているところを探して木の表面を見て回ることです。平地の林よりも低山地のほうが良く、適当な木さえあればかなりの確率で見つけることができます。一通り木を見終えたら、今後は近くに腰を下ろしてながめていれば、周囲からキラキラ輝きながら飛んで来る様子も見ることができるかもしれません。時間はお昼前後の一番暑い頃が最適です。もちろん、熱射病にならないために、帽子とタオル、スポーツドリンクは必需品です。

 タマムシは見たいけど暑いのはいやだと思われるかもしれませんが、ぜひ一度だまされたつもりで行ってみて下さい。太陽の光の下で見るヤマトタマムシの美しさはおおげさでなく衝撃的で、もう見慣れてるはずの私でも、いまだに見るたびに感動してしまいます。タマムシは漢字で書くと玉虫、英語名はJewel Beetle で、どちらも「宝石のような甲虫」という意味です。熱帯地方のさまざまのタマムシを並べた標本箱は、まさに宝石箱です。

8月31日までリージョンプラザ上越科学館で開催中の「夏休み甲虫王国」ではそんなタマムシをたくさんご覧いただけますのでぜひおでかけ下さい。                                                     (ミ)